忘れる力

賞味期限切れの食べ物をいつまでも捨てられないのは、尊い一つの食べ物をダメにした事を忘れずに同じ過ちを起こさないようにする気持ちと、なんとなくまだ食えない事もない気がして勿体無いという気持ちと、ただ面倒くさいという気持ちが合わさっている。

 

大学時代の数少ない友人の奥田君は、親が金持ちで名だたる海外ブランド品を買い漁っては身につけていた。コミュニケーション能力が一切なくて、絵が抜群にうまかった。

彼は買い物をして、それが気に入らないと躊躇なく捨てたり処分していた。彼曰く、そのモノを見ると、買い物が失敗した事を思い出してしまうので、忘れるために処分すると言っていた。

 

忘れない事で失敗を防ぐか、忘れる事で先に進むか。先に進みたい。