視野

画角で言うところの広角というのものが苦手だった。写真はまだしも仕事で映像を撮る時も、広角は苦手、なんたってなんでも写り込んできてしまうから。画角を切る、と言ったりもするけど、確かにイメージとしては入れる、というよりも切るという感じで、余計なものを切っていって、写し込みたいものだけにしていく、という作業をしていたような気がする。そういう時に広角だとどんどん被写体に近づいていって、ぼわんとその対象が歪んででかくなっていって、訳分からん事になっていく。以前はそう思っていましたが、そうでもなくなってきた。写り込んでいくものに対して気を回るくらいの余裕が出てきたような気もするし、単純にやっぱり色々写ってないとわからないよね、というだけかもしれない。普段撮るアイフォーンの写真でも、なんとなくカメラで撮る娘の写真も、もちろん娘の表情とかも重要なんだけど、どこに居て、周りに誰が居て、何があって、どういう状態なのかっていう事が分かったほうが、後になって見て面白いんじゃないか、というシンプルな感想なだけかもしれない。そしてそれは画像や映像に限った事ではなく、全ての事象に言えるとも言えます。対象物だけでなくその周りの状況、視野を広角にして見ていく、それは「正直」とも言えるかもしれません。写し込みたくないことを切るのではなく、そのまま入れていく、そんな年にしたい、と一旦断定してみようと思います。