9/20 パリ時間 7:58
というアレもなく淡々と荷物を取りに行く。パスポートチェックの間早速日本から借りてきたWi-Fiに電源を入れ、パスワードを入れる。パスワードが違います。あれ？入力を間違えたかと思いもう一度入れる。パスワードが違います。アレ？0がOなのかな？とか色々やる。パスワードが違います。アレ？ファックなんとかWi-Fiと思いながら諦める。チェックを難なくすり抜けると電車の乗り場に着く。アレ？と思ったら荷物を取りに行く場所まで電車で行くようだ。なるほど。電車内でまたWi-Fiをいじってみる。おかしいなー…と思いよく見るとSだと思っていた文字がよく見ると繋がっていて8だった。そりゃ数字の羅列に唐突にSだけ英語なわけないよなと恨み始めていたなんとかWi-Fiの担当のなんとかさんに心の中で謝る。すまん。メールやらTwitterなど軽く見ていると荷物受取所に着く。エスカレーターを降りると機内で会った仕事で一緒になったことのある方にまた会う。世間話や会社を辞めた事、今回の旅の目的、スケジュール、滞在先、今のファッション界についてなどを荷物が出てくるのを待ちながら話す。滞在先が同じ路線だったので途中まで行くことになった。だいぶ遅れて僕の荷物が回ってくる。取りに行きその方のところまで戻ると荷物の少なさにビックリされた。これでもスーツケースの半分は頼まれた土産物なのだが。
年に4回は海外で仕事をしている方で、パリにもロンドンにも住んだことがあるようで慣れた足取りで出口へと向かう。手荷物のチェックなども余裕でスルーし、普通に歩いてれば何も言われないよとの事。なるほど。出たところのお店で流暢なフランス語でエスプレッソを二つ買い、一つを僕にくれた。砂糖を入れて灰皿があるというタクシー乗り場出口へと向かう。簡素な灰皿が設置してあり煙草を吸う。乗り継ぎのハノイで時間を作り、現地人しかいないような汚い店で飯を食って来た事、4年前と比べて格段に発展していた話などを聞く。今日の夕方に僕が今回少し仕事をする会場で設備のチェックがあるので17時くらいに行くと色んな人が来てるし挨拶すると良いと教えてくれる。僕が2本、その人が5本の煙草が吸い終わりRER B線の乗り場へと向かう。
券売機で切符を買おうとするとお札が使えないようなので僕のICチップ付きのクレジットカードで2枚切符を買い、1枚分より少し多い現金を僕にくれた。ホームに降りるエレベーターが止まっていて膨大な荷物を抱えながら階段を降りる。まぁこんなもんだよとの事。列車に乗り込み向き合って座る。荷物の整理をしていると列車は動き出した。
最近のビデオプロダクションについて、過去の仕事について、ベルリンの世界最高のテクノのクラブの話、日本と海外での仕事の違い、今後の展望などを聞き
それに対応するような話題を僕も返したりした。日本から持って来たクッキーを一つをあげると躊躇せず開封しメルヘンだねーと言いながらすぐに食べた。途中でその方は降り、また会いましょうと挨拶をした。そこから2駅いくと僕の滞在先の駅だ。今回は友達と友達の彼が住んでいるアパートを借りることが出来た。列車を降り、出口に向かうも出口というフランス語がわからないため別の列車への乗り換え口に出てしまう。重い荷物をかかえながら階段を上ったり降りたりしてようやく地上へ出る。
ガラガラガラーっ！こんちわー！へー！ここがパリかー！というアレもなく友達にメッセージを送るが返信がない。無理もない、出てくるまで手間取ったり、世間話に花が咲きすぎて遅れは1時間を超えていた。電話する手段も無く相手は普通の携帯なので電話ボックスに入るもプリペイドカードなどでしか電話ができない。少し駅前で途方にくれたが住所を頼りに家まで行ってみることにする。縫い目だらけにモッズコートとジャージは明らかにパリの街で浮いていて、視線が痛い。キョロキョロとしながらGoogleマップを頼りに家へと向かう。外国独特の匂いがあまり得意ではないが、パリの街はあまりしないというかどちらかと言うと良い香りがする。気候は気持ちは良いが、思ったよりは暑い。特に迷うことなくその家らしき建物の前に到着しドアを押す。開かない…。ふと横を見ると番号が押せるようになっている。随分と古い建物だが番号で建物に入る方式らしい。窓から中のポストを覗くと友人の名前を発見したのでここで間違いないようだ。しかし入れない、連絡も取れないのでその前の柵に座り一服する。どうしよう…。
しばらくするとフランス人のお爺さんに話しかけられるが1ミリも言っている事がわからないがなんか困ってるのかと聞いてるっぽい顔をしていたので、英語で友人を待っていると言うが1ミリも通じなかったのでメルシーと9回くらい言いながらもう行って良いよというジェスチャーをしたらすごく笑顔ながら申し訳なさそうに去って行った。
直後ふと日本に居る後輩に連絡をし、迎えに来てくれる予定の友達の彼の連絡先を教え、そこに電話をさせて僕が今家の前に居ることを伝えさせることを思いつき、実行に移した瞬間にSkypeでクレジットを購入すれば直接外線で電話できるのではと思ったら出来た。家の前に居ることと謝罪を百万回して電話を切り、後輩にもう大丈夫だと連絡した。少しすると彼が到着し家へと入れてもらう。駅前で1時間半待っていたそうだ。申し訳ない。超申し訳ないので晩飯でも奢ろうと思う。
1800年代に建てられた古い建物ながら中はフルリフォームされていてとても綺麗だ。インターネットもバスタブもミニピンのささるオーディオもギターもWiiもある。仕事に戻る彼を送り、荷物をほどき、シャワーを浴びて、インターネットに接続したiPadで無事に着いた事を連絡する。お腹が空いたのでゴーイングステディのTシャツに袖を通し、鍵をしめて街に出る。半袖で少しひんやりするけど気持ちがいい。同じ道を回ってしまったり、信号を意図せず無視してしまいながらパン屋を見つけてやたらでかいパンを2個買った。お腹が空いていたからだ。また少し歩くとスーパーがあったのでホワイトビールの6本セット買う。5ユーロしない。とても安い。レジのおばちゃんは何か言っていたけど1ミリもわからないのでニコニコしてメルシーと言った。食料が買えたので家に帰る。寿司屋や串焼き屋が目立つ。流行ってるのかな。
家に着いて電子レンジでパンピザみたいなのを温めて食べた。ビールもまだぬるいけど飲んだ。うまい…ベトナムビールでかなりハードルが下がっていた分めちゃくちゃうまくてガブガブと2本飲む。また荷物を少し整理したりインターネットをしたりしていると少し眠かったのでベッドに横たわる。ああここがフラン…くらいで眠りに落ちてしまい起きたら19時だった。やってしまった。会場に行こうと思っていたのに寝過ごしてしまったなと思いつつも、まぁ当初行く予定ではなかったし、ラッキー中の不幸くらいだなと自分的に処理して気にしてもしょうがないので煙草に火を付ける。すると起きた2分後くらいに呼び鈴が鳴り出ると彼だ。そろそろご飯でも行かないかと誘われたので準備して出る。彼とは日本で何度か会ったことがあり、フランス人なのに日本語も上手なので最近の仕事の事や来年からオーストラリアに行くことなどを聞く。良かったら4月から僕らのアパートを使わないかと誘われる。あまりに現実離れした話だが今回で気に入ったらワーキングホリデーでも学生ビザでも取って来ようかななんて調子に乗って言ってみる。でも用心棒二階のラーメン食えないのはやだな。
15分くらい歩くと目当てのビールのお店に着く。テラスに見慣れた顔。友人と久しぶりの再会し、やはり僕の意味のわからない風貌を笑っていた。ベルギービールのお店でフランスのビールはどこでも飲めるしこれから散々飲むだろうからここで変わった物でも飲もうという計らいだ。ありがたい。名物のムール貝も普通のとクリーム味、それとポテトを頼んでガツガツ食いながらグビグビ飲んだ。友人は変な香りのするビールが苦手だそうで超普通のビールを飲んでいて、やはり日本人だなと思った。僕もホワイトビールやらエールやらも好きだがグビグビ飲み続けるならやっぱり日本のビールだなと思う。
彼は少し疲れたようで先に帰った。二人で最近の仕事の話や、今回の予定など話しながらムール貝とベルギービールをおしんことウーロンハイのようにグビグビ飲んだ。前から聞いていた明日の彼の誕生日パーティーでDJをしてくれと頼まれる。そんなこともあろうかとiPadでDJが出来るようにしてきたのだ。J-POPでフランス人を驚かせてやろうと思うが半分くらいは日本人だそうで、ガッカリした反面、少し安心した。友人の明日の仕事が休みになったので繁華街でショッピングをすることになり、待ち合わせ時間を決めて店を出た。一度アパートに戻るというのでほろ酔いでアパートまでの道を歩く。夜となると少し肌寒い。僕の今作っている服のこと、今年やろうとしていること、僕の学生時代の唯一と言っても過言ではない男友達であり仕事のしない友人の話などをした。
アパートに着き、頼まれていたコムデギャルソンのカバンと靴下屋のタイツ、熱さまシート、ガムの歯ブラシ、コンタクトレンズを手渡す。コムデギャルソンのカバンはいたく気に入ったように本当に飛び跳ねて喜んでいた。家の追加の説明など軽くして、荷物が多いので僕のリュックを貸し、荷物を詰めて帰っていった。
ズボンを脱ぎ、またビールを出し栓を開ける。よく冷えていてうまい。一服しながらインターネットをしたり、歯を磨いたり、またビールを飲んだり、またインターネットやメールをしていると眠くなって来たので9時半にアラームをセットし1時過ぎに眠るが、5時前に起きてしまう。昼間寝過ぎたせいだ。また寝ようと思うがいまいち眠く無いのでまたビールを開ける。うまい。胃が刺激されて小腹が空いてきたので何か食べようと思うが店など開いていないのはわかりきってるので戸棚を漁ると平たいパスタとボロネーゼソースの瓶があったので茹でて食べることにして手をかけると手から滑り落ちて床にパスタが花開く。 (；ω；`)ｳｯ…カスを集めてゴミ箱に入れ、気を取り直して茹でて、ただソースをかけただけだが美味しい。また朝焼けを見ながらビールを飲み煙草を吸った。だらだらとしていると思いのほか時間が経ってしまい、このまま寝るとまた同じ失敗を繰り返すだけなのでこれまでの手記をまた書こうと思い立ち書き始め、今、9:38。シャワーを浴びて歯を磨いたら会場の下見に電車を使わず40分くらい歩いて行ってみようかな。
