今さっきハノイの空港に着いた時の事。

パリへ向かう乗り継ぎ地のハノイに無事到着。出国はスムーズ。出国ロビーは国内旅行に行くベトナム人でごった返している。気温は26度。しまむら×でんぱ組のボーダーシャツにみるみる汗がしみていく。国内ロビーで若干迷いながらも問題なく国際ロビーへ。ベトナム人はみな怒っているように見える。出国カウンターでパスポートの写真を見せられYOU?と聞かれる。パスポートには爽やかな短髪をエアリーに立ち上げた黒縁メガネの男性がキリッとこちらを見ているが、それにイエスと答える僕は昨年の12月にかけたパーマが微妙に取れに取れ、コンディショナーも使わないバサバサの妙な長髪で、昨日ボロアパートの台所で前髪をギザギザにカットし、意味のわからない金縁ハーフリムのメガネをかけた勝手に自分で解釈した誰にも伝わらないジャパニーズハードコアスタイルなのだから無理もない。出国手続きを通過し、荷物をチェッカーに通す。箱に入れようとするとそのままで良い的なジェスチャーをされたのでそのままバッグ二つとモッズコートを放り込む。金属探知機を通り抜け、男性の職員の前に立つとなにやら僕のジャージを見て笑っている。半分で分断され別々のジャージ同士を手縫いで縫い付けたケイスケカンダのジャージがベトナムの空港の青年に分かるわけがないが、僕はその青年にこの服が面白いか?と、どうせ暇だし何か拙い英語で面白いことを言ってみようかなと話しかけると、笑いながら出口のほうに手を指していたのでしぶしぶそのまま通過する。たぶんベトナムではケイスケカンダは売れないと思う。
手荷物検査を抜けると没個性的だがわかりやすい対称的なロビーへと出る。とりあえずタバコが吸いたいのでぐるぐるとロビーを回るが見つからない。2周半くらいしたところでなんで見逃していたのかよくわからないレベルの分かり易さでスモーキングルームの案内板を発見。促されるままに螺旋階段を上がるとすりガラス向こうにゆったりとしたソファーがいくつもある素晴らしい部屋を発見したので意気揚々とそのドアノブの取れたドアを押すと鍵がかかっている。ムムム。この時間はタバコも吸わせんのかベトナムという国はと絶望し他の希望を探しに2Fフロアをまた2周半くらいするがバーガーキングやフットマッサージなど1ミリもぐっとこない店ばかりで諦めてまた同じ螺旋階段で降りようとすると上がってきた螺旋階段のすぐ後ろにデカデカとスモーキングルームの文字。すまんベトナム。フットマッサージの店の前を3回も通り過ぎたので受付の女性に笑われ少しベトナムの事を恨み始めていたところだったので急いで謝る。
中に入って荷物を降ろし、タバコに火を付ける。あーうまい。しかしクソ暑い。扉はかろうじて空いているがこのエリアのみ空調がない。気を取り直してiPadを開く。いくらベトナムと言えど空国くらいスムーズにフリーのWi-Fiを吸わせてくれるだろうと設定を開くがパスワードがかかっている。ベトナム…。しかし少しするとショートカットのボーイッシュな可愛い女の子が入ってきたのでカッコつけてタバコの煙を吐き出し出し、少し機嫌が良くなる。あまりに暑いのでアメリカンスピリットを半分ほど吸ったところでもみ消し部屋を出る。涼しい。さっきまで暑いと感じていたフロアがめちゃめちゃ涼しく感じる。不思議なものだ。一回フロアに降り、何か飲み物でも買おうとまたぐるぐると回る。まぁ妥当な線としてビールだなと思い売店でせっかくだしとベトナムのビールを買う。ベトナムの金を持っていないのでカードで支払おうとすると安すぎてカードは使えないという。日本円かユーロで払えるか聞くと2ユーロだと言うので10ユーロを渡すが、お釣りが無いようなので日本円で400円と言われたので1000円で支払い600円のお釣りをもらう。席に座り荷物を置き、やっと落ち着けるとビールを開けて一口。クソまずい。日本から持ってきたわさびエンドウをかじりながらグビグビと飲みつつ、この文章を書いているとクソうるさい韓国人軍団に席を囲まれたのでハイネケン買って移動します。はぁ…。

追記
ロビーの別の場所へ移動するとフリーのWi-Fiが姿を現し接続。ネットに繋がらないと見せかけてまた移動すると繋がるというツンデレWi-Fi。12時間のパリへのフライトは1時間後。ビールは3本目。