9/19 0:18 ハノイ時間
ハノイ発パリ行きの飛行機に搭乗し席を探す。羽田のお姉さんが気を使って通路側にしてくれたので安心だ。通路を進むと見たことのある人の顔。仕事で一緒になったことのある人と遭遇し一瞬だけ世間話をする。同じ業種なので合う可能性はいくらでもあるのだがやはり異国の地で知ってる人に会うとやはり安心する。軽く挨拶してさらに通路を進む。幸いまだ僕の列には人が座っていなかったのでゆっくりと上の棚に荷物を入れて席に座る。少しするとピンク色のシャツを着た女の子が僕の前で立ち止まる。荷物を上に入れようとしたが手に持つことにしたようで僕の足元にググっと入ってくる。ローライズのデニムから少しスケた水玉のパンティーが見えるベトナム人だ。一度僕の隣に腰をかけてこれは良かったなと思うとまたズレて窓側の席にいった。あぁそんなもんさと思い少しするとまた僕の前で立ち止まる太めの白黒のボーダーのシャツを着た女の子。こちらもなかなか可愛いベトナム人だ。上の棚に荷物を入れて僕の方を見て、目線は隣のピンクの女の子に。ベトナム語で何か言うとピンクは真ん中にズレる。なるほど空いてるからと窓側に移動していたようだ。僕の足の前をすり抜けながらサンキューと言うボーダー。この子は良い子みたいだ。
ピンクはというとごそごそとカバンを漁ってみたりもう出発するというのに注意されても電話し続けるしちょっと席を立つときも何も言わず強引に俺の足を押しのけてくるし空港で買ったのか知らないけど変な弁当みたいの食ってるし思わずボーダーと顔を見合わせてしまった。というわけでベトナム航空なんとか便は、ボーダー推しとなった。
すぐ機内食が出る。アジアン系だと変な香草が入ってたらやなので洋風にする。さっき飲んだまずいビールだったら嫌なのでビールと一緒にトマトジュースを頼む。するとさっきと違うマシなビールが出てきたので普通においしくレッドアイを飲む。うまい。トマトジュースは少し苦手だったけど最近好きになってきて結構飲んでる。食べ終わってさぁ長い長い苦行の始まりです。
9/19 5:23 パリ時間
あと2時間もしないうちにパリに着く。眠れたような眠れなかったような。iPadで良い曲プレイリストをゆーっくりと作り、それを再生しながら梶井基次郎の檸檬を読んだ。アンリアレイジの過去コレクションに檸檬というコレクションがあったからだ。そしてまた眠り、起きて佐内正史×伊賀大介のトークショーを途中まで見る。そしてまた作ったプレイリストを再生し目を閉じたり開けたりした。昔の写真を一番昔から遡って一枚一枚見たりもした。様々な場所で様々な人たちと撮られた写真。様々な食べ物。それがどこで、何で、誰であるかわからないものさえあった。そのような過去の蓄積によって今僕はここで立っている、もとい座っているのだなと思うと特に感慨深い訳でもなく、暗いところで画面を凝視するのは疲れるなと思い、また目をつむったりした。自分で撮ったカラーミーブラッドレッドのライブ映像を見ていると（隣のピンクは物珍しそうに覗き込んできた）電気がつき朝食がやってきた。卵と豆か、牛とパスタかと聞かれたので卵のほうにしたが2秒後にやっぱり牛にすれば良かったと思うが、まぁ別にどっちでも良いやと思ってそのまま受け取る。次に飲み物がやってくる。みんなジュースとかを頼んでるので朝は酒は無いのかな少し不安になったので少し丁寧にビールをもらうことは出来ますかと聞くと快く出してくれた。しかしさっきハノイで飲んだまずいビールだったので、朝食のベーコンとさっきの残りのわさびエンドウをかじりながらごまかして飲んだ。でもなんかそんなにまずくなかった。コーヒーを飲みながら文章を打つ。あと1時間と少し。そんな時に限って睡魔が襲ってくる。少し荷物を整理して京都の大学生聴きながらまた寝ます。
