怒りの才能

僕の借りている駐車場は非常に変な場所にある。マンション(自分の住んでいるマンションでなく、直ぐ近くのマンション)の一階なのだが、車が1台停めてある横をバックですり抜けながら曲がって行って、また逆方向に曲がりながら駐車する。僕の車は後ろがちょっと長いワゴン車なので(でも実はセダンと全長は変わらないらしい、知らんけど)本当にここに車が停められるのか、契約する前、そして車を購入する前に、わざわざ横浜から車を持ってきてもらって実際に入るのか試してもらった程だ。その時車屋さんはスーッと簡単に停めていたし、今となっては僕もスーッと簡単にとまではいかないにしても、疲れ切っていても普通に何の感情もなく停められる。

停めやすくはないのだが、屋根もしっかりとあって豪雨でも一滴も濡れないし、夏でも車に乗ると少しひんやりと感じられるくらいで快適。奥まっているのでイタズラされる心配もないし、ひと目にもつかないので機材の整理や積み込みなど、ゆったりと出来る。なんとなく近くて安いから借りたのだが、今ではとっても気に入っている。

しかし一回車をすり抜けた先にまた元に戻るように曲るところに、そのマンションの住人が停めている自転車が大量にあり、それが線を大きくはみ出して停めてあり、すごく邪魔な時が結構あった。最初に借りた時の不動産やさんにはそれを伝え、処理をしてくれるように頼んだが、駐車場は不動産やの管理だが、駐輪場はマンションの組合管理らしく、そこの連携がうまくいっていないのと、組合が少々癖のある感じらしく、不動産やの返答も芳しくなかった。

借りる時から、もうすぐ管理会社が変わる、という話は聞いていたので、まぁそっちに変わったらちゃんと言ってもらおうとそんなに気にしていなかったのだが、徐々に常に大幅に自転車ははみ出し始め、ほぼ毎回自分で重たい電動自転車などを何台も移動させながら出庫し、帰ってくるとまた停まっていたりするので、それをどけてから駐車していた。

そんな事をいつまでもしてるのも大変なので、新しい管理会社にも何度か連絡した。組合の方と話してみます。そんな答えで、特に何も変わらなかった。きっと忙しいのだろう。管理している駐車場の横の、駐輪場の自転車の位置を、気の弱そうな男がたまにクレームを入れてくるなんて、最適解は一度、無視だろう。こっちはタワマンの営業で忙しいんだよ、という声が聞こえてくるようである。

まぁ自分が自転車を動かせば良い。そう心に決めて2年とちょっと、そうやって過ごしてきた。でもなんだか先日、仕事が忙しかったり、ひょんな悲しい事や、つまらない辛い事も重なったり、でも忙しくてそんな事も言ってられないと自分で言い聞かせてたりしていた最中、バタバタと仕事に出かけようとしている時にまたズラ〜っとと自転車がはみ出ているのを見た時、自分の中で本当に小さいんだけど、何かが切れたような気がして、俺は不動産やに久しぶりに電話した。担当の人は居なかったので、俺は語尾や言葉は丁寧にしつつも、エネルギー消費を最低限にした、一定の低いトーンで、これまでいくら連絡しても改善がみられない事と、その今休みである担当に絶対にこの事を伝えて必ず折返しをさせるように力強く伝えて、素早く電話を切った。

電話を切った後、激しく後悔をした。声は荒らげずとも、僕は確実に怒っていた。誰に怒っているか、自転車をはみ出している人か、不動産やか、組合か、わからなかった。でもその怒りというか苛立ちの感情はそこにあって、それを押し殺す事は膨大なエネルギーが必要だった。僕は大きく深呼吸をして、その日はなんとか仕事に出かけた。

すると後日、知らない番号から履歴が残っていた。かけ直してみると不動産やだった。折返しをしてきたのは初めてだった。僕は憔悴していたので、管理の違いや、これまでの詫びと、組合と話し合いをして、その結果をすぐ報告するという不動産やの話に、すごく小さく相槌をうち、聞き終わった後、その折返しはいつになるのか、期限を決めて下さい、とだけ言うと、今日中に必ず!と言われたので、今日は忙しいので明日にして下さい、と言って電話を切った。

結果的に、駐輪場にある不要な自転車の撤去と、張り紙などの対策を、明日はちょっとどうしても伺えないので、明後日から組合と共に行います、と次の日電話があった。

 

人に怒られるのは嫌いだ、人に怒られるのが好きという人は居るだろうか、ドMの人だって、女王様に怒られるのは気持ちがいいだろうが、グチグチと人間性を否定されたり、少しの間違いをいつまでも咎められるのは嫌だろうし、クレーム処理を喜んでするドMなんて聞いた事がない。

でも僕は人に怒る方が嫌いだ。嫌いというか、とても大変だし、怒りをどのように調節して出して良いかがわからないし、怒って何になる、なんの解決もならない、話せばわかるだろう、と信じて生きてきた。けど今回はちょっと怒ったらあまりにもあっけなく、簡単に物事は解決してしまった。俺は今まで何を信じて、何をしてきたんだろう。本当に悲しい。

 


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不完全な日々

朝、車を走らせて作業場にしている学校の準備室へと向かったが、急いでいていつもは使わない高速道路のルートで行こうとしたら、朝の開かずの踏切になんと40分も捕まった。作業場で参加しようと思っていたリモート会議には絶対に間に合わないので、どこかで車を駐車して参加しようとするも、それだと逆に少しだけ時間が余ったので途中で給油する。ガソリンスタンドに入ると女性の店員さんが、今エネオスアプリで登録するとリッター5円安くなるクーポンがつきますと言ってきた。あまり時間は無いので断ろうとしたが、リッター5円はデカすぎる。少し迷ったが登録を承諾する。しかしそこから始まる手続きの嵐。みるみる時間は減っていき会議間近。給油後逃げるように退店し、すぐ近くに急いで停車。見事に最後の入室で平謝りしながら打ち合わせを済ませた。

急いで作業場に行く理由も無くなってしまったので、いつもと違う下道ルートを走っていると、年末に時間のない中急いで見た大きなリサイクルショップを通る事を気づき、寄ってみることにする。昨年から狭いリビングにソファーを置くことをやめたが、やはりコンパクト目な微2シーターくらいの低いソファーを置きたくて探しているのと、前来た時に見た、小さな白い棚をリビングの端っこに置いてDVDやCDを入れたら良いのではと思ったからだ。

店に入るとオープンしたてで店員さんはバタバタとモノを動かしたり、パソコンに向かって忙しそうにしていたりで居心地が良い。気になっていた白い棚は別の場所に移動していて、DVDが沢山収納されていた。売れないから店内什器になってしまったのかと思ったが、後ろを見ると値札を発見。16000円、記憶より高い。今月は車の点検でめちゃくちゃでかい出費があったので流石に諦める。また余裕がある時に寄れたら、そしてまたあったらね、と再会を約束し帰ろうとしたとき、DVDの棚にShall we ダンス?のDVDを発見する。最も好きな映画の一つで、何度も繰り返しみて、少し前もサブスクで見たばっかりだった。特別版で、特典映像も入っているようで、迷わず手に取る。700円。これは買いだとレジへ。満足した気持ちで車を走らせ、作業場で確定申告へ向けた書類を整理し、夕方帰路へつく。夜早速映画を見ようと思うがDVDを入れるのが面倒だったので、サブスクで良いやとリモコンとポチポチと押すも、見放題からは外れていて見れなくなっている。貧乏性の僕はなんとなく嬉しい気持ちになりながらDVDをプレイステーション3に挿入し、映画を鑑賞。相変わらず名作だ。下心からダンスを始めた役所広司さん演じる主人公が、先生にその事を独白するシーンは何度見ても最高だ。こうして文章を書いている今も、白いシャツ、スラックスのシルエットまでありありと目に浮かぶ。

昔から思うのは、モテたくてバンドを始めるとか、背伸びして本を買うとか、そういった下心というか、本来の目的とは違う理由で始めた事から、その心が抜けて、行為自体が残ってしまった事に、僕は純粋さを感じる。もちろん正しい理由も良いけど、僕は自分自身を汚い人間だと思っているのか、それはキレイ過ぎるように感じるのかもしれない。だからこのシーンの独白は、その瞬間を自認して、かつそれをその人の前で告げるという、すごいシーンだ。そこに僕は美しさを感じる。はい。ラストのダンスシーンは言わずもがな最高。心が熱くなる名作です。

そんな次の日、あいにくの雨。今日は家でじっくりと仕事をしようと、軽くリビングを片付けて、洗濯も脱衣所に干して除湿機をオン。しかし時計を見るとギリギリ新宿でやっているパーフェクトデイズという映画に間に合う事に気づく。前から観たいと思っていたが、とある撮影に向けて観ておきたい所もあり、フード付きのジャンパーを被り、自転車を飛ばして駅まで向かい、電車に飛び乗る。祝日という事もあり席はほとんど埋まっていたが、なんとか滑り込み、映画は始まる。役所広司さんが主演の静かな映画。そこでふと思い出す。昨日Shall we ダンス?を観たことを。映画は素晴らしかった。僕の父親も青い軽のバンに乗って仕事をしていて、映画が終わったら父親にメールして、この映画を観ろと言ってみようかなと思う。(今もまだメールはしていない)またフードを被り新宿の街を歩く。僕は僕なりにCONTAXのデジカメで写真を撮る。思い出横丁で天玉そばを食べる。友達に映画の感想を送る。仕事を手伝ってくれているスタッフに相談を送る。

雨も降っていたので、少し時間はかかるが家に最も近い駅から帰れる、行きとは別のルートの電車に乗る。朝急いで出てきたのでワイヤレスイヤホンを忘れていて、ただ電車の揺れる音や、車内のアナウンスをぼんやりと聞く。乗り換えで偶然友達に会う。新宿に行くらしい、僕は帰る所だと言って、別れる。

家に着いて、仕事を再開する。あっという間に夜になる。今日は妻が食事を作ってくれるというが、働いているお店も大変そうなので様子を伺うメールをすると、家に油が無かったら買ってきておいてくれと頼まる。自転車で買い物にでかけようと、カッパを着て外に出ると、自転車がない。3秒くらい考えて、朝、なるべく早く新宿に出れる駅まで自転車で行った事と、今も有料駐輪場に停まっている事を思い出し、シンプルな舌打ちをする。幸い雨は上がっていたが、トボトボと駅まで歩く。駅前で油を買って、自転車で帰ってくる。手袋を忘れて手は冷たい。もうとっぷりと日は暮れていて、いいちこソーダ割りを作り、ちびちびと飲みながら、飲みながらでも出来る仕事をする。結局その日は飲みすぎてそのまま床で犬と共に眠りにつき、朝起きるといつも通り暖房の効いた部屋で口はカラカラに乾いていた。僕のパーフェクトとは言えない日々はこれからも続く。

写真と文章

くま

CONTAX TVS Digitalを買った。見た目が良い。写りも良い。だけどなんだかガシガシ使ってない。少しの厚み、少しの起動時間、少し値が張るので少し扱い怖い(14万のGR3xは雑に扱えたのに)。あらゆる行動は少しが積み重なって、知らずと決定されている。

 

友達の家がある団地

写りは本当に良い。暗いとダメだけど、暗くてもちゃんと撮ればこういう感じにもなる。

VANSの白は洗うと中から芯の色が出てきて逆に汚くなる

量が尋常に多かった蕎麦屋

オイル交換をした

待っている間、応接間のようなところでパソコンを広げて仕事をしていると、ラジオから大好きなビリー・ジョエルのSummer, Highland Fallsが流れ出して、外は大好きなプジョーの車だらけ、天気もよく窓から午後の光が斜めに差し込んで、外国に居るような、ああ、こんな瞬間ってあるんだな、としみじみ外をしばらく眺めてしまった。 

帰りの空も綺麗だった

よく見ると猫

引っ越しを考えて2件、物件を見に行った。結果今の家の良さを再確認した。

CONTAXは何気ない風景とかが向いている気がする

講師をやっている学校の準備室にどんどん私物を持ち込んでいる

一応撮影立会した現場で暇だったので積極的にスタンドインした

Kodak V550 かなりキレが良い気がする おしりだけど

犬も連れて海に行った

8月の終わり、ふと一瞬涼しい瞬間があって夏が終わる!と思い一瞬でググって犬も泊まれるペンションを押さえて急に1泊旅行に行った。良かった。

ODOYAで夕食を買った

犬 in 中華料理店

犬も入れる中華料理店があって、2日連続で行った。店員さんが神がかり的に優しくて、すごく気を配ってくれた。店に車を停めたまま海にも遊びに行けて、戻ってきたら店横で水道まで貸してくれた。絶対にまた行くと思う。


 

夏の空、夏の写真に飽きてきた気がする。寒くなったらコートのポケットにカメラを入れるのが楽しみな気がしてきた。

みっともねぇから泣き事言うな

朝からビーズクッションを粗大ゴミとして捨てに収集場へ行き、捨てた。予約していたのでとてもスムーズだった。小さな機材を新宿まで返却に行くのに、昨日もずっと車を運転して疲れてたので、一旦帰って、電車で行こうと思ったのだが、粗大ゴミから帰る途中、行きに気になった希望ヶ丘団地の商店街にたなびくメガネフレームセールの文字に、ちょっとだけ見るだけ見ようと車を停めて見に行った所、なんだか惹かれる値札の付いてないメガネが一つだけあり、聞くとずいぶん古いものでレンズ込みで1万円との事だったので流れで買ってしまう。視力検査や、今までされた事のないレンズ作りの中心出し?みたいのまでされ、多少近所の皮膚科の世間話なども相まって時間がみるみるかかってしまい、そのまま車で行く事に。

しかし機材返却の時に車をわざわざ停めに行くと面倒かつ、前に停めておくとすぐグリーンじいさんが来る場所なので、松林に連絡をし、笹塚でピックアップし、同乗してもらい、返却へ向かう。雨が降ったり止んだりして、面白い。返却は車を前に停め、松林に行ってもらい、スムーズに終了。近くのパーキングメーターに改めて停め、インドカレーがうまいという立ち蕎麦へ。うまかった。

少し時間があったのでカメラ屋を少し回り、古デジカメを見る。東芝のPDRというのと、お馴染みコダックのなんと33万画素のDC30があるが、本当にただ買うだけになりそうなのでやめる。

その後馬喰横山でやっているフォトグラファーの磯部さんの展示に向かう。近くまで行くと一方通行の5車線くらいの道にフワフワしてしまいクラクションを鳴らされまくりながら、パーキングメーターを探すも空いてなく、しばらくナビ遊びを行なっていると、前に同じく磯部さんの展示に向かってるであろうスタイリスト小山田氏のホンダ初代インサイトが現れ、思わず写真を撮る。車を別の所に停めて、トイレなど行ったりモタモタしてたら展示会場にはもう小山田氏は居なかった。屋上の展示が雨上がりで、スカッとしてて、水滴なども相まって良かった。

コーヒーを買って、下らない話、偏見の話などして帰った。最後松林おすすめの代田橋の古着屋に今までうまいこと雨を避けて行動できたのにビショビショになりながら寄って瞬間的にGAUZEのTシャツを買った。今帰ってきて洗濯を回し、ビショビショになった靴を洗い、シャワーを浴びてこの文を書いた。洗濯を干して、カップラーメントムヤムクン味を食べる予定だ。

2023.7

久々に、というかやっていなかった気もしないでもないが、最近狂ったように買っている古いコンパクトデジタルカメラ(通称 古ンデジ)の写真を交えてフォトログ的なものをやってみようと思う。もはやそれはインスタグラムであるが、1枚1枚にキャプションを付けたい。投稿されるかは謎である。

 

この日は痛風の出る前の日な気がする。足に若干の違和感があったが、妻が気まぐれで買ってきたこのハイボールはなかなかうまく、しかもビールじゃないから大丈夫やろ、とガブガブと飲んだ。結果次の日はすごいことになっていた。

 

古いデジカメで撮るともう生きている犬には見えないが、元気に生きている11歳のヨークシャーテリアのライカ。長生きしてくれ。

 

出勤と退勤の道。

 

ハイボールならいけるっしょ、というおごりが見えまくっている。

 

痛風のため参加出来なかった友達の誕生日会にリモートで参加。

 

ねむちゃんの誕生日ケーキはマッシュポテトだった。

 

その帰り道、ねずみが路上で死んでいた。

 

大学で教えていた学生がダンサーで参加すると誘ってくれ、日比谷野音できゃりーちゃんのライブを見た。俺も頑張ろうと思った。

 

まさしが間借りでやってるスナックに打ち合わせを兼ねて行った。田中ヤコブはカラオケには入ってなかった。

 

久々に朝帰りして、夏の涼しい夜明けと、キレイな空に普通に感動した。

 

松林を連れ回してラーメンとコーヒーなどをやった。

 

多摩センターに住んでみたい。風通しが良さそう。

 

閉店間際のコストコは、なんかいつもよりワクワクした。

 

保険のCMみたいでやだけど、母親がマインドは変わらずとも、思ったより老けていた。

 

フィンガリンの展示会でその場に居た人たちに古ンデジについて熱弁したら、その後ほぼ全員買っていた。

 

そば屋の瓶ビールには、そば屋の瓶ビールの味というものがある。

 

この夏は本当によく車を運転している。

 

子供の残した食パンに、目玉焼きを乗せたのと、袋に入った生野菜をかじる。そんなもんである。

 

バスもたまに乗ると良い。

 

日帰りで車で行った。俺は夏の終わりにスライドショーの展示をやりたい、いややろうと思った。

 

静岡に祖父祖母叔父の墓があるので、行った。花を買い忘れたので妻のお土産に買った静岡麦酒を1本供えた。

 

何かならではな所は無いかと検索すると、静岡のローカルスーパー「とらや」が全店閉店するというので、謎な衣料品が安くなってたりするんじゃないかという卑しい気持ちで向かった。

すると店内は半分くらいはもう既にパーテーションで区切られ、薄暗い店内にまばらな商品。冬物なども高い割引率で投げ売られている中、店内BGMだけが変わらず明るいとらやオリジナルソングが鳴り響いており、入った瞬間に泣きそうになってしまった。

 

とらやオリジナルブランドである「cotton shop」の紳士用の靴下とボクサーブリーフを全色と、とらやオリジナルブランド「seasons」のVネックシャツを購入してその場を後にした。今もそのVネックシャツを着てこの文を書いている。まだ僅かに営業している店舗があるようなので、叶うならもう一店舗行き、このVネックシャツを買い足したい。

 

目黒で撮影をした、良い撮影だった。

いつかこの景色も懐かしくなるだろうか。

 

同じデジカメをもう一つ買った。日付を付けたまま撮ってた。

 

2023年7月の記録。

健康

痛風の発作がやってきた。数年前の健康診断で尿酸値が11という異次元の数値を叩き出して以来、やや警戒していた時もあったが、最近の暑さ、やる気の無さ、体たらくにより、適当な食生活、酒量をカマしていたところ、なんとなく右足の小指の付け根から足裏に違和感を感じたが、まぁ気のせいかといつものようにボコボコと酒を放り込み、ソファーで犬と雑魚寝をした朝、立ち上がれないどころか、ソファーの背もたれから足を下げる事すら出来なくなっていた。痛くて。

なんとか痛み止めを飲み、徒歩5分のクリニックに20分かけて辿り着き、血液検査したところ確定した。ありがとうございます。

健康、それは失った時初めてその尊さに気づく。いや、だいたいのもんはそうか。恋人、親、健康。水分を沢山取ろう、酒は控えめにしよう、運動を適度にしよう、野菜を食べよう、そう決めて親の仇のように様々な野菜を入れたスープを作って、ビールはやめて、ハイボールにするんだけど、酔っ払ったらカップ麺に残りご飯を入れて自傷行為のように食べてしまう。けど今度こそちゃんとしよう。と思った矢先、今日は昼ビッグマック、夜コストコのピザ、そして今残ったピザで酒を飲んでいる。死期は近い。明日はまた親の仇のように野菜を入れたスープを作ろうと思う。

貴族のように

少し仕事が落ち着いたので、今日はしたかったことをいくつかした。

車がひどい汚れ様で、娘が車の前でかわいいポーズをしている写真を妻に見せても、車汚いね、と言われるくらいだったので、洗車をした。朝、駐車場を借りている管理会社に電話をかけ、駐車場にある水道からホースを引っ張り、洗車をしていいかと訊くと、あーNGなんです、という返答。NGなんですってなんだ。管理の都合上、洗車はご遠慮頂いてるんです。とかで良いだろ、と思いつつ、わかりましたと電話を切る。

じゃあどうしよう。ガソリンスタンドの洗車機にかけるも良いが、場所に余裕があるところじゃないと、拭き上げが出来ず、走りながら乾かす事になってしまい、その乾いたところの水あとがウォータースポットというのになって良くないらしい。セルフ洗車場も行ったけど、なんかビショビショになりながら、必死で頑張る割にはキレイに出来なくて、しょんぼりした。あと今日は天気が良いので難易度も高い。そこで調べてみると自由が丘に1500円でドライブスルーですぐやってくれるという手洗い洗車屋さんがあるというので行ってみた。ネットでの評判は愛想が最悪とか書いてあったが、結果、良い感じだった。別に愛想は良くないけど、俺は車を洗って欲しいだけである。僕は愛想が悪いのが嫌なのではなく、変な言い方をされるのが嫌なのだ。

洗車が終わると、その先に仕上げや、室内掃除を自分でゆっくりとやれるスペースもあって、拭き上げまでやってくれたが、ドアは閉めっぱなしだったので隙間とかに入った水も一応持っていったタオルでキレイに拭いて、ピカピカになった。その後調子に乗ってオートバックスで革シート拭きと、初心者マークの水シミが取れないのでシミ除去シートみたいなのを買ってみた。

早速帰ってシミ取りでもしようと家に向かって車を走らせたら、二子玉川を過ぎたあたりで、映画でも見てみようと思い立ち、貴族のような事であるが、そのまま二子玉川109シネマで是枝裕和監督の怪物を見た。結果、凄かった。ラストシーンでなんか体から汗でもない、冷や汗でもない、涙がでもない、何かがサーッと出ていき、椅子に張り付いた感覚になった。何かこの感じを固着させる方法を探し、帰りの車内で早速サントラを流した。それでも飽き足らずにアナログ盤をネットで注文した。届くまでに部屋を完全に掃除したい。

視野

画角で言うところの広角というのものが苦手だった。写真はまだしも仕事で映像を撮る時も、広角は苦手、なんたってなんでも写り込んできてしまうから。画角を切る、と言ったりもするけど、確かにイメージとしては入れる、というよりも切るという感じで、余計なものを切っていって、写し込みたいものだけにしていく、という作業をしていたような気がする。そういう時に広角だとどんどん被写体に近づいていって、ぼわんとその対象が歪んででかくなっていって、訳分からん事になっていく。以前はそう思っていましたが、そうでもなくなってきた。写り込んでいくものに対して気を回るくらいの余裕が出てきたような気もするし、単純にやっぱり色々写ってないとわからないよね、というだけかもしれない。普段撮るアイフォーンの写真でも、なんとなくカメラで撮る娘の写真も、もちろん娘の表情とかも重要なんだけど、どこに居て、周りに誰が居て、何があって、どういう状態なのかっていう事が分かったほうが、後になって見て面白いんじゃないか、というシンプルな感想なだけかもしれない。そしてそれは画像や映像に限った事ではなく、全ての事象に言えるとも言えます。対象物だけでなくその周りの状況、視野を広角にして見ていく、それは「正直」とも言えるかもしれません。写し込みたくないことを切るのではなく、そのまま入れていく、そんな年にしたい、と一旦断定してみようと思います。

聞くは一時の恥、知らぬが仏

年末年始の休みと言っても、ダラダラと長時間酒を飲んだり、いつもは保育園で元気いっぱい遊んでいる娘がずっと家に居たり、行きなれない所に行って気を遣ったりと、普段より疲れちゃうんじゃないかという研究結果もある。そしてようやく通常営業に戻ろうかとする日キッカリに娘と二人して具合が悪くなり、熱は38.6まで上がり、発熱外来にも行ったが陰性で「風邪です」と言われたので、病院の薬を飲んで腰が痛くなるほど丸一日寝続けたらなんとか復活した。しかしさっき晩飯を作り終えて、食べる前にフーっと一息調子に乗って、空きっ腹に炭酸水をゴクゴクと飲んだら、病み上がりには刺激が強かったのか、胃が急激に痛くなり、いつもは山盛り3杯(茶碗がめちゃくちゃ小さい)は白米を食べるのだが、1杯の途中で横になってしまった。いくら髪の毛を茶色くして学生に「学生かと思いました」とか言われようとも、しっかりと35歳である。昔は父親が何故焼酎をお湯で割って飲んでいるのか分からなかったし、母親は麦茶に何故氷を入れないのか分からなかった。でも今ならハッキリと分かるし、自分もそうしている。わかる事はだいたい、良いけど、わかりたくなかったような気もする。

免許を取って1年が経って、初心者マークが車から剥がれた。車のボディにやんわりと初心者マークの水シミが出来てしまい、あ〜あという気持ちもあるが、初心忘れるべからず的な方向でポジティブに捉えようとしている。結構運転しているので、まぁそこそこ慣れてきたが、全然深刻ではないにしても、レンタカーを含めて3回擦った。2回は駐車時に、1回は細い道を曲がる時に、どれもゆっくりと慎重ではあったけど、結果曲がりきれていなくて、駄目だったパターン。どれももちろん後悔しているが、原因の大半は「焦り」だと思う。時間がない、後ろから車が来ている、遅いなと思われている、見られている、ここで合ってるのか不安である、大丈夫なのか不安である。みたいな事が重なって判断が鈍っていく。解決策としてはそれはもう「焦らない」一択である。どんなに邪魔になろうとも、そう簡単に車は突っ込んで来ないし、道を間違ってもまたゆっくりとナビが迂回の道を示してくれるだろうし、もし間違ったムーブをしてしまっていたとしても、死ぬよりはマシである。安全第一というのは本当で、正面から逆走車が猛スピードで走ってきたら、ガードレールに優しく突っ込むのが正解になってしまう時だってあるだろう。

とは言うものの、やっぱりちょっと遅れそうな時とかに、いつもなら停まるようなタイミングの黄色信号を突破してしまったり、いつもならもっとゆっくり曲がる左折をグ~ンと行ってしまったり、いつもなら執拗に確認する信号なし横断歩道をさっぱりめに通過してしまったりするだろう。それじゃ駄目なのである。と思ってその水シミを見つめながら初心忘れるべからず的な精神を呼び起こしていきたいというrepriseなんです。

でもさ、本当に思うのは、マジでちゃんと走ってる車ってほぼ居ないよね。昔は免許も持ってなかったから知らなかったけど、制限速度15キロくらい超えないと流れに乗れない道とかあるし、前にちょっとでも隙間あれば走行車線から追い越しガンガンされるし、ちょっと分かりづらい専用レーンだったりすると線がオレンジでも車線変えてくし、とんでもないところでハザード炊いてみーんな停車してる。あと自転車もすごい。夜に脇道からトラップのように飛び出してくるし、車道の左を走ってると思ったら、後ろも見ずに例の謎停車している車を避けて中央線くらいまで瞬間移動してきたりもする。そんなのに最初はイライラしてたけど、でももうやめた。どんなに苛つかれようが、俺はそんなに速く走らないし、危なそうな自転車とか歩行者が居たら本物の徐行というものを見せてやる。曲がり角はゆっくり曲がるし、本当に遅れちゃいけない時はめちゃくちゃ早めに出るか、電車で行く。四方八方に注意しながら、流れる景色を楽しみつつ、安全に運転する。ものすごいスピードで危険に追い抜いていく車は、両親が危篤で急いでいるんだと思うと、全く別のシーンに変わる事を発見した。

知らない事を知るという事には良い面もあれば悪い面もあるし、良い面もある。良い面を注視して快適なドライヴ、そして快適な人生を!人生!

最善

スパゲティが茹で上がるまでの5分間、何をするべきか、最善を考えた結果、最善について書いている。どの仕事からやって、いつまでに終わらそうか。そう考えたところで予定通りには終わらなかったりして、またその時の最善を考える。冷蔵庫の中の早めに食べた方が良い物から食べた方が良いが、中途半端に一つの食材を減らすと、晩御飯に足りなくなる変な残り方をしたりするので、スパゲティを茹でて、この間使ったたらこソースが一袋だけ余っているのでそれでサッとすます事にする。色々慌ててるけど、これを食べたら晴れているので久しぶりに犬を散歩に連れて行こうと思う。久しぶりに見つかったBluetoothイヤホンを付けて。少し落ち着いて何をするのが最善か、歩きながら考えようと思う。今はそれが最善だと思っている。そろそろ茹で上がる。この選択が最善でありますように。